りえ あたし、今回ですねえ、セリフが少ないんですよ、はっきり言いまして。で、結構ね、長ゼリフとかみんな言うことが多いんですけど、こう、まれにある自分のセリフっていうのが、
こう、ボーッとしてる時に、こう、なんか、沈黙になるんですよね。「やべ、あたしかな」
まき 「あ、あたし」(笑)。で、その時、
りえ 「りえちゃん、りえちゃん! 次、セリフ!」「あ、あたしだ! ごめん」もう、まれにみるセリフって怖いですよー。ねー。まきちゃんも人のこと言われへんやん。あたしと
まきちゃん、いちばんヤバいんですよ。
まき あのね、りえちゃんね、セリフ覚えてないくせに台本手放すんですよ。覚えてないんやったら台本を見とけばいいのに、置くんですよ。で、「あ、あたしはもう覚えてるよ」
って感じで。次自分のセリフやっていうことがわかってるんですけども、セリフが出てこないんですよ。出た!と思ったら全然違うこと言うんですよ、これ
りえ そうそうそう。結構、なんか、変なこと言ったり、こないだも。
まき 何言ってるかわからない。
りえ わからないし。
まき 「◯▼※◇★#■@$%&¥!!」何言ったん、今。
りえ あたしも滑舌が悪いんで「◆$△&●!!」ってなって。もうそのまま…。あたしもこの物体に笑われて…。
まき 表情が豊かなんだよねー。
りえ ねー。
まき いちばん気にしてもらったことを楽しみに見てほしいと思いましてね。
りえ はい。こんなん言ってもアレですから、内容のほうちょっと…。
まき そうですね、内容を説明しないと
りえ 全然わかりませんからね。
まき チラシ見てもらったらわかるように、マンガ家のお話でですね。
りえ マンガ家を目指す女の子ですね。
まき 舞台はマンガ家の仕事場で、
りえ それ一点張りなんですよね。
まき ま、いろいろと問題が起きるんですけども、どういうふうに説明したらいいんでしょうね。あまり言ったらね…。
りえ 内容といいますと、はっきり言って、こう、何がどうあってどうある、ってわけじゃないんですが、ある意味で、すごく、うーん…(笑)
まき すごく、何ですか?
りえ うーん。おもしろく、できる芝居。何言ってるのかな?(笑)
まき 何言ってるのかな?(笑)
りえ 何て言うんですかね、考えさせられる芝居なんですよ。
まき 考えさせられる芝居?
りえ ええ。いつもは結構ハチャメチャなね、ドタバタドタバタ
まき ああ、ドタバタドタバタ…
りえ …したのが多いんですけども。去年もそうでしたしね。(今年は)内容が、無いようで有る。…すみませんでした(苦笑)。よくわかりませんね、なんか。
ちゃんとチラシにも「ちゃんとちゃんとの芝居です」ってコメントがあるんですけども、その通りなんですよね。
あたしたち次第で、すっごくおもしろくなるか、すっごくおもしろくなくなるか。結構プレッシャーありますよ、あたしたち。
まき 結構ね、あたしたちの役自体が、キャラクターがもともと濃く付いてないので、自分たちで。
りえ そうなんです。自分で作っていく。
まき でもなんか、自分たちそのままで演ってますけどね。りえちゃんはりえちゃんの性格で、その役を演ってるし、あたしもあたしそのままでその役を演っているし。
まあ、本性が、出るかなあ?
りえ やっぱり芝居、楽しくやりたいですし、観るかたにも楽しく観ていただきたいと思いますので、楽しんでやりましょう。
まき (笑)内容全然説明してないですけど。
りえ そうだわ(笑)。
まき ま、マンガ家が、えー、スランプとかいろいろあって、
りえ で、けっこう仲間割れするんです。原作者とマンガ家が仲間割れしちゃうんですよね。
まき で、「あたしはもうやっていけないわ、あなたとは」って感じになって。でも、エラい人がいましてですね、その人が、
りえ エラい人って、編集者なんです(笑)。別に総理大臣とかそういう意味じゃございません。
まき その人がまあ、「それはスランプじゃないんですか」ってなって、「あ、そうかもしれません」「これからもっとがんばっていけば、あなたはもっともっといい作品を描けるのに」っていって、
りえ すごく泣かせるところがありますから。
まき 泣かせるところもありますからね。ま、『すこし過去に戻れたら』っていう題名を、どういう意味だったのかっていうことを、ま、考えながら観てください。
りえ いま2週間前なんですが、ちょっとヤバいぞ…って感じがしてるんですけども。魔女ランド倶楽部、こう何ていうのかな、3日前くらいになってやっとこうエンジンがかかる…。
まき エンジンかかるのが遅いんです。初めのほうはダラダラダラダラ、遊びながら、楽しんでやってるんですけども、最後のほう、2週間前とかなってくると、だんだんだんだん…。
りえ あ、じゃ、きょうからもっとがんばらなくちゃいけない(笑)。
まき ヤバいぞヤバいぞ、ってなってきて、ま、今ぐらいからみんな一生懸命。ま、遊び心というのは必要ですけども、
りえ やっぱり、いいものを作らなくちゃいけない。訴えたいことはちゃんと訴えなくてはいけないという感じでですね、
まき 最近、真剣にやってますんで。
りえ やってます。ちなみにですね、あたしと、大迫真紀子ちゃんと、安岡由記子ちゃんの3人は、舞台の初めから終わりまでずーっと出っぱなしで。これ、ある意味で、言ってみたら、
休憩がないという(笑)。そんなこと言っちゃだめじゃない(笑)。すごく、でも、集中力が要りますよね。
(1996年8月18日のディアモール大阪「魔女ラン生放送」を採録し構成。)